夢をかなえるゾウ1
内容
「だれやあらへんがな。ガネーシャやがな。」
歴史上の人物をこれまで指導してきたという関西弁のうさんくさいゾウの見た目をした神様であるガネーシャから毎日1つ課題を与えられ、それをこなしていくというストーリー。
主人公は広告会社に勤める一般的な社会人。やる気が無いダメ人間というわけではなく、現在の自分を変えたいという気持ちがあり、1人でインドに行ってしまう行動力もある。しかし、1人で海外に行ったからといって何かが変わるわけでもなく、裕福な人とのパーティーに参加して自分もこうなりたいと泣くほど思っても、次の日にはそんな気持ちはどこかにいっている。変わりたいと思って行動しても結局何も変えられない自分に悩んでいる。
構成
ガネーシャから課題が出され、それを主人公が実生活で実践し、その日の夜にガネーシャから課題について聞かれ、主人公が一日を振り返りながら、課題をやってみた感想・得た気づき・今後の改善点をフィードバックしていくというもの。ガネーシャの課題自体はそれほど難しくないものも多い。
本書のよかった点
一つ目は、課題の難易度が低いこと。こんなのやろうと思えば一瞬でできるだろというような拍子抜けするようなものもある。しかしいざやろうとすると、今はやんなくていいや、後ですぐできるだろうという思考になってなかなか手がつかない。そうならないように序盤の課題はなおさら難易度が低くなっているのだろう。簡単でも一つ一つをクリアした(成功した)という体験を積み重ねることで、次の課題に取り組みやすくなる。(成功体験を焼き付ける)
二つ目は、課題を行った後に必ず主人公のやってみた感想が書かれていること。最初にガネーシャの課題を聞いたときにはこれ本当にやる意味があるのかと思ってしまうが、課題を行う意味が明確になる。課題をクリアするためにこんなことも考えなきゃいけないのかという発見があり、課題に取り組もうとする意欲が増す。
印象に残った課題
・人がほしがっているものを先取りする(人をバイト先のお客さんと考える、何がほしいかよく観察してあらゆる準備)
・一日何かをやめてみる
・決めたことを続けるための環境を作る(意識を変えて変わろうとするのは逃げ、未来の自分に期待してるだけで行動はしてない)
・運がいいと口に出して言う(成功も失敗も世界を支配する法則に従って生まれるから、その法則と自分のズレを矯正する)
・人の長所を盗む(自分に向いているベクトルを相手に、人のよくを満たすこと=自分の欲を満たすこと。)
・自分が変われるとしたら行動したときだけ、本を読んだり話を聞いているときは知識を得て成長した気になってるだけ
まずは行動を起こすこと。
言葉にできるは武器になる。を読んでみて
「言葉にできないということは、言葉にできるほど考えられていないと同じである。」
誰かと話しているとき、その人の話がわかりにくかった場合、言葉遣いそのものの評価ではなく、「この人の考えは薄っぺらだな」「深く考えていないな」とその人自身の人間性を評価してしまうことはなかっただろうか。
たとえ言葉少なであったとしても、相手に納得してもらえる・信用してもらえるようになるために必要なものは小手先の話術ではなく、「内なる言葉」である。
内なる言葉とは
言葉には「外に向かう言葉」と「内なる言葉」の2つがある。
そこらへんのビジネス書では「伝わる言葉の磨き方」であったり、「言葉を改善する技術」といった具体的なアドバイスが載っている。
しかし、相手に自分の考えを伝えることが目的であるなら、まず第一に意見を育てる必要があると筆者は言う。
この役割を担うのが「内なる言葉」である。
「内なる言葉」とは物事を考えたり、感じたときに無意識のうちに頭の中に出てくる言葉。普段は意識していないかもしれないが、何か感情が起こるときには必ずこの内なる言葉を伴っている。
この内なる言葉の語彙力を高め、幅を広げ奥行きを持たせることが本書の目的であり、相手に納得してもらえるような意見を育てることができる。
考えているのではない。頭の中で「内なる言葉」を発しているのだ。
内なる言葉と向き合う
内なる言葉に意識を向けることでなんとなく考えているといった状況を脱することができる。ある出来事に対してどういった感情が起こるのか。どんなときにこの感情が起こるのか。こんな風に考えることができるのではないかと考え、内なる言葉と向き合うことで自分自身を把握する。
これを習慣化する。
自分の思考の癖であったり自分が持っている視点を把握できるようになる、それと同時に自分で考えているのに言葉で表現し切れていないことや、思考の偏り、ありきたりなことしか考えれていなかったこと等に気づくことができる。
こうした積み上げを行うことで自分の思考を深め「内なる言葉」をスムーズに「外に向かう言葉」に変換させ、それが相手に「この人はきちんと考えているな」という評価をしてもらえるようになる。
内なる言葉を意識し、深めていく手順については次章で。
思考の整理学を読んでみて
グライダーと飛行機
Ⅰ
グライダーと飛行機の違いはエンジンが有るか無いか。人間でいうと受動的に知識を得るか、自力で物事を発見・発明すること。この2つは生きていく上で欠かせないものだが、実際にはグライダー能力が圧倒的で飛行機能力はまるでないという”優秀な”人間であふれている。そもそも学校がグライダー人間養成施設なってしまっており、みんなと足並みを揃え、断片的でも知識を蓄えられれば優秀と見なされる。しかし、コンピュータの登場によりグライダー人間の立場が取って代わられてしまうことになるだろう。エンジンを積んだグライダーとなるためにはーーー
Ⅱ
「醗酵」「触媒」「エディターシップ」
思考を組み立てる際には、なやんでてもしょうがない。ふとした瞬間に求めていたものが降りてくることもある。無から有を生ずる思考などそう簡単に出てくるものではない。寝かせてみたり、全く別のものがきっかけとなって新しい思考が結合されることもある。結合するときにはそれぞれが周知、陳腐なものでかまわない。そういうありふれた素材と素材が組み合わさって新たな思考を生む。
「発想の面白さは、化合物の面白さである。元素を生み出すのではない」
Ⅲ
「情報のメタ化」
私たちが考える断片的な一つ一つの発想は一時的情報であり、それらを「醗酵」、「エディターシップ」、「アナロジー」等の方法を用いて二次的情報へ昇華させる。思考の整理とは、単なる思いつきをメタ化し、より高い抽象性へ高める質的変化のことだ。思考の純化とも言い換える。
Ⅳ
「忘れる努力が求められる」
人間、興味・関心があることは忘れない。つまり忘れるとは、価値を区別し、判断、自分の価値観によってふるいにかけること。
うまく忘れるためには、頭の中に古典を作り上げる。時間が立つにつれ、古典は細部が欠落して新しい性格を帯びるようになる。これを頭の中で促進させる。それには、知識のメタ化を図る。一次的情報を二次的、三次的へと昇華させていく過程で、いらないものを振り落としていく。
Ⅴ
考えをまとめるには、とにかく書いてみる、友人と話してみる、専門の垣根をとりはらい、異質なもを取り入れる。
Ⅵ
二次的現実(本や映像)による知識は都合よくまとまりを持ってくれている。二次的現実が一次的現実のようになってしまっている。これにより人が考えることは抽象的で活力が無い。生の生活で考えたことを整理し、新しい世界を作る。汗のにおいのする思考をしないと。。
要約はここまで
本書では、「思考の整理」、「思考のシステム化」というワードが頻繁に出てくる。Ⅵを読んでみると、”私たちは一次的現実(=ナマの生活)に根を下ろし、新しいシステム(=価値観)を構築していかなければならない。”というように読める。そのための忘却、情報のメタ化であるのだろう。その価値観をもとに一次的現実を自分なりに整理していかなければならないのだろう。
おわり