言葉にできるは武器になる。を読んでみて

「言葉にできないということは、言葉にできるほど考えられていないと同じである。」

 

 誰かと話しているとき、その人の話がわかりにくかった場合、言葉遣いそのものの評価ではなく、「この人の考えは薄っぺらだな」「深く考えていないな」とその人自身の人間性を評価してしまうことはなかっただろうか。

 

 たとえ言葉少なであったとしても、相手に納得してもらえる・信用してもらえるようになるために必要なものは小手先の話術ではなく、「内なる言葉」である。

 

 内なる言葉とは

言葉には「外に向かう言葉」と「内なる言葉」の2つがある。

そこらへんのビジネス書では「伝わる言葉の磨き方」であったり、「言葉を改善する技術」といった具体的なアドバイスが載っている。

 

しかし、相手に自分の考えを伝えることが目的であるなら、まず第一に意見を育てる必要があると筆者は言う。

 

この役割を担うのが「内なる言葉」である。

「内なる言葉」とは物事を考えたり、感じたときに無意識のうちに頭の中に出てくる言葉。普段は意識していないかもしれないが、何か感情が起こるときには必ずこの内なる言葉を伴っている。

 

この内なる言葉の語彙力を高め、幅を広げ奥行きを持たせることが本書の目的であり、相手に納得してもらえるような意見を育てることができる。

 

考えているのではない。頭の中で「内なる言葉」を発しているのだ。

内なる言葉と向き合う

内なる言葉に意識を向けることでなんとなく考えているといった状況を脱することができる。ある出来事に対してどういった感情が起こるのか。どんなときにこの感情が起こるのか。こんな風に考えることができるのではないかと考え、内なる言葉と向き合うことで自分自身を把握する。

これを習慣化する。

 

自分の思考の癖であったり自分が持っている視点を把握できるようになる、それと同時に自分で考えているのに言葉で表現し切れていないことや、思考の偏り、ありきたりなことしか考えれていなかったこと等に気づくことができる。

 

こうした積み上げを行うことで自分の思考を深め「内なる言葉」をスムーズに「外に向かう言葉」に変換させ、それが相手に「この人はきちんと考えているな」という評価をしてもらえるようになる。

 

内なる言葉を意識し、深めていく手順については次章で。